先日、ホームページ開設を記念してWEB講演会を開催しました。5月30日と6月5日の2日で約100名の方にご参加いただき、大変有意義なものになったと感じています。改めてお礼申し上げます。
取り上げたテーマは「足梗塞」。これは足のケアにおいて最も怖いものと考えられます。
・ちょっと傷つけただけなのに、足がたちまち黒くなってしまった。
・靴擦れかなと思っていたら、足がどんどん黒くなってきてしまった。
これが足梗塞です。そして「足梗塞予備軍」は、糖尿病・透析を受けている腎不全患者の中に高確率で見受けられます。
今回は「足梗塞予備軍」を疑うべき見た目の特徴をご紹介しましょう。比較的分かりやすい特徴は下記の2つです。
1 皮膚の脱毛
2 皮下静脈の虚脱
写真の足は、この2つの特徴が併発した状態です。
ただし、見た目だけでは確定診断にならないということは強調しておく必要があります(ドプラー検査必須)。足梗塞予備軍を疑ったら診断できる施設へ紹介して、必ず確定診断を受けましょう。
皮膚の虚血でカットオフ値が決まっている検査は、SPP(皮膚灌流圧)とTcPO2(経皮的酸素分圧)のみです。
写真は妙義山山道で見かけた警告サインです。足にも分かりやすいサインがあればいいのですが、「絶対にこれ」というものがなく、診断を難しくする要因となっています。ただし注意深く観察すれば、危険を疑うべき所見が得られるはずです。
※参考文献(Norgren L, et al:Inter-SocietyConsensus for the Manage- ment of Peripheral Arterial Disease(TASC II). J Vasc Surg 45(Suppl S): S5―67, 2007.)
※日本語の文献を参考にしたい方は、ここをクリックしてください。
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