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引き返す勇気

更新日:2020年8月15日

パキスタンに、トランゴ・タワーズという断崖があります。標高6,239m、これは東京スカイツリー約10本分の高さに相当するものです。


この断崖への登頂に単独挑戦し、27日目に成功した南裏健康(みなみうらたけやす)さんという著名な登山家がいます。最近始めたリードクライミングでは、日本のフリークライミングの先駆者でもあるこの南裏先生に教えていただいています。

南裏先生のお話には、命を落とさないための知恵と思慮深さ、そして自然への畏敬の念が込められています。 「人は無理をしてしまうもの。命を落とさないために、客観的な指標を決めて、

“こうなったらもう進まない。今日はやめておく”

そういうことが必要なんだと思うよ。 例えば埼玉から(パラグライダーで空を)飛ぶためにきた友人。 サングラスを忘れてきたんだよ。それで、今日はちょっと疲れてるからやめとくっていうんだよ。 僕もなにを探していたか分からなくなるときがある。そんなときはやめとこうって思うんだよね。 岩場で、ここにかけたデバイスは絶対大丈夫だけど、あそこにかけたのは外れるかもしれない、そういう判断をしながら登ってるんだ。

判断がつかないときは、登ることそのものをやめといたほうがいいんだよ」

フットケアや手術においても、同じことがいえるのではないでしょうか。

“今日はやめておいたほうがいい” “この足は危険な気がする”

そのような感性は、場合によっては攻める勇気よりはるかに大切で、患者さんの足や命を守ることにつながります。

「どのような状況で立ち止まるべきか」

自分自身や組織の中でその指標を決めておくことは、決して無駄ではないといえるでしょう。

著名な登山家(登山家ガイド.comより) https://tozan-guide.com/technique/1580 南浦クライミングスクール(SWEN三島店) http://www.casa-swen.com/swen/climbing/index.htm

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