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中村雄幸先生のこと

更新日:2021年4月29日

故中村雄幸先生。

慢性創傷診療の師匠であり、人生の道しるべを与えてくださった恩人です。

中村先生との出会いは13年前にさかのぼります。その時の私は心臓血管外科医の道を断念し、医師を辞めようかと迷っており、まさに人生の遭難状態にありました。

当初は形成外科の後継者として育てるつもりで受け入れてくださった中村先生。 ところが途中から、せっかく心臓血管外科医として血管吻合や循環管理を学んできたのだから、それを生かさない手はないと言われたのです。 「血管外科医と形成外科医のハイブリッド医師になれ」 「そのために花田先生と先生が勤める病院をプロデュースする」

その後、聖隷浜松病院形成外科の血管外科コンサルタントとして勤務し、中村先生の臨床で学ばせていただく一方、先生は私の勤める病院へ非常勤医師として来てくださいました。

写真は中村先生の施術です。先生の手によってどれほどの足が救われたことでしょう。


創傷治癒科を設立し院内に下肢救済チームを立ち上げ、私をリーダーとして、先生は顧問としての立場から、いろいろなことをご指導くださいました。チームは瞬く間に成長し、有意義な結果を出すまでに至りました。

傷との話し方、傷の扱い方、人の心への寄り添い方、組織の作り方……。

全て先生から教わった大切なものです。

「独り占めしているのは申し訳ない。多くの人に伝えたい」先生に打ち明けると、 「あなただけが受け取ってくれた。だからあなたが俺の教えを伝えてくれ。そして俺のようなヤツがいるって添えてくれ。あなたに託すよ」そう言ってくださいました。 1年半前、中村先生は急逝されました。

先生が残された言葉に、ようやく正面から向き合えるようになりました。

先生から受け取ったものを、同じように多くの人に受け取ってもらいたい。それが先生への恩返しになるのではないか。

そんな気持ちを後押ししてくれたのは、共に働く仲間でもある「とよあしネットワーク」北和子さんの言葉でした。

「こんなすばらしいことを自分だけが知っているのはもったいない。学びたい人は多くいるはずです」

 

上述の経緯から企画したこのたびのWEB講演会。アセスメントから実際の手法に至る、シリーズ3部作です。

第1回:8月1日(土)・ 19:00〜20:30

「足のキズに対する考え方」


※本講演会は盛況のうちに終了しました。たくさんのご参加をいただきありがとうございました。


とよあしネットワークFacebook

2 Comments


花田 明香
花田 明香
Aug 08, 2020

まさにその通りだと感じます。

これまで、様々な道で「師」と出会い、共鳴し、突き進めたことで、今の私があります。

すべての師に感謝しています。

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龍 加藤
Aug 08, 2020

仕事(人生)において、「師」と呼べる人の存在がある人は幸せだと思います。人の成長は環境によって大きく変わります。その人の影響で、自らが、何かに共鳴し、突き進めたことは、ある一定の時間を経て、感謝の気持ちに変わっていくのではないでしょうか。

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